2017年4月の活動報告

  • サルタックの募金箱を設置して頂いているSports Coffee Houseさんに感謝状をお渡ししました→リンク
  • サルタックの募金箱を設置して頂いているFuji bakeryさん、Chakupat and Cafe Aamuさん、Krishna Galliさんに感謝状をお渡ししました→リンク
  • 新たにNewaz Pizza Khaja Gharさんに募金箱を設置していただきました→リンク

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  • サルタック学習センターでの指導方法について、職員とサティでリフレクションや研修をしています→リンクリンク②
  • サルタック学習センターでは、経済的に厳しい状況にある子供たち(中には児童労働に従事している子もいます)の支援をしています→リンク
  • サルタック学習センターでの活動の様子です。小学校3年生でもまだ、母音を表す文字が読めない子供たちがいるので、特別な活動を実施しています→リンク
  • サルタック学習センターで、子供たちの学習状況についてのアセスメントを実施しました→リンク

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  • ネパールの暦で新年を迎えました。今年もどうぞよろしくお願いいたします→リンク
  • サティたちとフットサル大会を開催しました→リンク

ネパールの移住問題とサルタックの活動

私の故郷の国ネパール。2003年の人間開発指数では世界で143位。ネパールに住む5人に2人は絶対貧困線以下の暮らしをしており農村部で特に深刻です。失業率と不完全雇用率は17.4%、32.3%と高く、よりよい生活を求めて国内外に移住する人たちがたくさんいます。

 

私もその中の一人でした。生まれ育った故郷はスンザリ郡のバラハクシェトラというところで田舎ですが、とっても美しいところです。青々とした畑や手付かずの森は私たちの宝でした。そこで生活をするだけには十分でしたが、それ以上の質の高い教育、テクノロジーやそのほかの現代的な産物にアクセスすることは難しかったのです。教育に関して言えば、学校などの教育施設の数は増加するものの、質は問題視されていませんでした。そういった環境から抜け出すべく、私は故郷を離れ首都カトマンズに移住しました。その後の首都での生活は故郷のものとは異なり、ついていくのがやっとでした。都市の雑踏、喧騒、路上のゴミはカトマンズの印象を非常に悪いものにしました。しかしそれにもかかわらず生活は故郷のものより豊かでした。移住したり移住を考えているネパールの人々は以上のような私と同じような経験があると思います。

 

都市部の公立学校にはほとんどがカトマンズの外から移住してきた子どもたちが通っています。彼らの生活は非常に苦しく、親たちの多くは日雇い労働に従事しています。学校では適切なケアや指導を受けていないと言われています。親が働いている間、子どもたちはどこへも行く場所がありません。家にいると家主からうるさがられてしまうため、他の子どもたちと一緒に外をぶらつきます。こういった子ども集団は他の集団をまねて悪さをすることがあり成長してから犯罪に手を染めてしまう例もあります。物乞いをしながら外をあてもなくぶらついている子どもたちを多く目にしました。彼らの親は、子どもたちは学校外の時間にどこも行く場所がなく、誰も世話をしてくれる人がいないと話していました。

 

サルタックの活動はこの路上で歩き回っている子どもたちの数を減らすのにつながっているのではないかと感じています。サルタックの活動は授業の前後の時間を使い、想像力を広げ、純粋に楽しんでもらえるような児童中心主義的な学習環境を提供しています。

 

私はサルタックに携わってから2年が経ちましたが、一番心に残っているのは満面の笑みでサルタックの活動に参加している子どもたちの姿でした。こういった子どもたちの多くは道で会うと、お金でなくて、物語本や読み聞かせ、ゲームを求めるようになっていきています。サルタックの都市部での活動はネパールの様々な場所からやってくる子どもたちの生活に直結するものであって、この小さな活動の一つ一つが彼らの将来を変える力になると信じています。いつか農村部から移住した子どもたち全てがお金ではなくて本を求める日が来ることを願っています。


2017年3月の活動報告

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  • ホーリー(色のお祭り)にちなんで、サルタック学習センターでお絵かきをしました→リンク
  • Sramik学校での読書クラスの様子です→リンク
  • Panchakumari学校で読書クラスを開催しています。震災から2年経ちますが、未だに仮設の学校です→リンク

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2017年2月の活動報告

  • 習字(鉛筆による手書き)コンテストを開催しました→リンク
  • 知恵をつかさどる神様のSarawati神のお祭りの日だったので、学習センターでもお祝いしました→リンク
  • お絵かきコンテストを開催しました→リンク

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  • 新スタッフのRasna Vaidyaさんです。子供のために働きたかったというRasnaさんとQuality Learning for Allの実現に向けてまい進していきます→リンク

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  • 学習センターの様子です。センターは低学年の子供が対象ですが、高学年の子供がずっと窓から覗きこんでいたので、小さな先生として活動に参加してもらいました→リンク
  • サルタック学習センターの様子です。作文の練習をしているところです→リンク
  • 学期の終わりなので、子供たちの学習状況のアセスメントを実施しました→リンク

2017年1月の活動報告

  • 冬期休暇が明けたので、サルタック学習センターの活動を再開しました→リンク
  • 2016年の夏にインターンとして来てくれた猪狩さんが、ネパールの教育について動画を作成しました→リンク
  • 冬期休暇を利用して、サティに三日間の研修を実施しました→リンク
  • サティたちとピクニックに出かけました→リンク

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2016年12月の活動報告

  • 第五回目の読書キャンプを開催しました、300名の来場者を迎えることができ、大盛況でした→リンク
  • 第四回目の読書キャンプを開催しました、約360名の来場者を迎えることができ、大盛況でした→リンクリンク②

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  • サルタック学習センターでスポーツ活動を実施しています→リンク
  • 始業前の15分間を活用したサルタック読書タイムの様子です→リンク

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  • 2016年の振り返りを行いました。活動開始から3年間で2000人以上の子供を支援することが出来ました、これからも一人でも多くの子供に良質な教育を届けられるよう頑張ります→リンク

2016年11月の活動報告

  • サティたちが第四回目の読書キャンプの実施に向けて急ピッチで準備を進めています→リンクリンク②
  • 一か月のお祭り期間が明けてから最初のサルタック読書クラスを開催しました→リンク
  • 一か月のお祭り期間が明けてから最初のサルタック学習センターの活動の様子です→リンク

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マラウイの教育の質と内部効率性の問題-SACMEQの結果から

みなさん、こんにちは。サルタックジャパン理事で、現在ユニセフのマラウイ事務所で勤務している畠山です。今日はネパールから少し離れて、ここマラウイの教育の話をしてみたいと思います。

 

マラウイでは、初等教育の純就学率は既に100%近いところまで来ていて、次の教育課題は中等教育の女子教育・教育の質/内部効率性・就学前教育と言われています。国際学力調査の結果をもとに、今回は教育の質と内部効率性の話をしていきます。

 

教育の質や内部効率性を測定する一つの方法として国際学力調査を挙げることが出来ます(教育の質は、国や地域、教育を受ける個人によって意味合いが違ってくるので、学力調査の結果だけをもって教育の質としてしまうのはやや危険ですが)。国際学力調査というと、OECDが実施しているPISAや、IEAが実施しているTIMSSがありますが、南部アフリカや仏語圏アフリカのような地域ごとに実施されている国際学力調査も存在します。仏語圏アフリカで実施されているものはPASEC、南部アフリカで実施されているものはSACMEQ(The Southern and Eastern Africa Consortium for Monitoring Education Quality)と呼ばれています。

 

SACMEQの結果はPISAと同様に、全体の平均点が500点、標準偏差一つ分が100点になるように点数が標準化される国際学力調査です。マラウイのReading(読解力)のスコアは434点と参加国中最下位で、Mathematics(算数)のスコアも447点と下から二番目の順位となっています。
マラウイの教育の質の特徴として、社会経済的な背景にかかわらず子供たちの成績が平等に悪い、という点を挙げることが出来ます。マラウイは最貧困層と最富裕層の学力格差でも、都市と農村の学力格差でも、参加国中格差が最も小さくなっています。参加国の平均は貧困層と富裕層の学力格差で、Readingで64点、Mathematicsで47点、都市と農村の学力格差でReadingで59点、Mathematicsで41点となっているのに対して、マラウイでは貧困層と富裕層の学力格差がReadingで13点、Mathematicsでは驚きの3点で、都市と農村の学力格差もReadingで20点、Mathematicsで14点となっています。

 

ちなみに、参加国中で最も貧困層と富裕層の学力格差が大きい国は南アフリカで、Readingで159点、Mathematicsで119点となっています。都市と農村の学力格差が最も大きい国は、私がかつて勤務してたジンバブエで、Readingで122点、Mathematicsで97点となっています。
なぜマラウイでは学力にばらつきが少ないのかについては様々な要因が考えられます。経済的な要因に言及すると、マラウイの都市人口比率は依然として20%を割り込んでおり、しかもこの比率はこの20年間でほとんど変動が無い、すなわち都市化や経済発展が全くと言っていいほど起こっていないので、格差が発生する余地がないという点が挙げられます。確かに、マラウイに出張に来た世銀時代の同僚に何人か会ったのですが、みんな口をそろえてこれほど都市化が進んでいない首都は見たことが無いと言います。

 

教育的な要因を言うと、政府の努力とドナーの支援を挙げることが出来ます。まず教員配置についてですが、どこの途上国でも一般的に農村部の教員の質は都市部のそれと比べて遥かに劣るものですが、マラウイ政府はそれなりに大きな額のrural allowance(農村部の教員に対する金銭的補助が支給され、日本のへき地手当に相当します。現在、女性教員に対してはこの手当をさらに増額させる政策議論が進んでいます)を出していますし、さらに教員養成校を卒業した学生には2年間農村部で勤務することを義務とするなど、農村部に優秀な教員が赴任するよう努力をしています。そして、ドナーの基礎教育支援も良くも悪くも一般的に農村部が重視されています。世界子供白書2012が都市型の貧困に焦点を当てていたにもかかわらず、都市型貧困対策は2019年から始まる次の支援計画でようやく取組が行われる予定です。このため、貧しい農村部とある程度中間層がいる都市部で(どちらも酷いですが)それほど教育環境に差が無いのがマラウイの現状かもしれません。
次にマラウイの教育の内部効率性の特徴の話をすると、SACMEQの受験者の平均年齢が高い、という点を挙げることができます。受験対象者は小学校6年生、すなわちマラウイでは6歳から小学校教育が始まるので、順調にいけば受験者の平均年齢は12歳前後となるのですが、実際は14歳を超えてしまっています。

 

この現象の背景にあるのは高い留年率です。一般的に途上国では就学前教育が十分ではないため、子供たちが学校教育を受ける準備が出来ておらず、低学年での留年率が高くなりがちですが(マラウイでも小学校一年生の留年率は30%近くなっています。)、マラウイの場合は全学年を通じて留年が多く、留年率は6年生を除いたすべての学年で20%を超えています。このため、14歳と言えば既に小学校を卒業しているはずの年齢なのですが、この年齢の大半の子供はまだ小学校に在籍しているため、小学校6年生で受験するSACMEQの受験者の平均年齢が14歳にまで達してしまっています。

 

この留年の問題がどれだけ深刻化というのは、中学生に相当する年齢の子供たち(14-17歳)の就学状況を見ると良く分かります。MICS (Multiple Indicators Cluster Survey)という、私が勤務しているユニセフが実施している家計調査があるのですが、これの最近のデータによると、中学校に相当する年齢の子供たちのうち、現在学校に通っていない子供の割合は、男子が16%、女子が23%となっています。最貧国の割には意外と中学校相当の子供たちの間でも不就学は少ないんだなと思うかもしれません。しかし、中学校相当の子供の中でちゃんと中学校に通学している子供の割合はというと、男子で14%、女子で18%と、不就学児童の数よりもさらに少ないことが分かります。つまり、中学校相当の男子の70%、女子の60%は依然として小学校に通っているのです。留年する子供が多いということは、それだけ学びなおしの機会が与えられているわけで問題ないじゃないか、と思う方もいるかもしれませんが、それは誤りです。留年は基本的に学力向上には効き目がありませんし、教室の混雑を招き、新たに教室を建てる・教科書を配布する・椅子や机を用意する、といった追加的なコストが必要になります。詳しくはこちらの記事をご参照ください→留年制度は効率的で効果的か?

 

そして、この高い留年率が与えるインパクトの大きさは男子と女子で異なってきます。というわけで、次回はマラウイの女子教育にフォーカスを当てて話をさせていただこうと思います。


2016年10月の活動報告

  • 新学期最初の週のサルタック学習センターでは、数多くのグループ活動を実施しました。→リンク

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  • ダサインの長期休暇が明けて、サルタック学習センター(SLC)の活動を再開しました。→リンク1