石川泰

名前:石川 泰

出身校・学部学科: 大阪大学外国語学部

メンター制度参加の可否:可

インターン期間: 2017年10月 – 2018年9月


インターンテーマ:ICTと教育

応募動機:

学生時代に 1 年間大学を休学し、中南米をバックパッカーとして旅行していた際に、エクアドルのスラム街を訪れたことがきっかけです。そこでは、子どもの意思に関わらず、生まれた環境によって将来の可能性が制限されてしまう現実を目の当たりにし、この不公平さはどこから来るのか、どうすれば解決できるのか、自分に何ができるのか考えたいと思いました。大学卒業後、パレスチナの難民キャンプを訪れる機会に恵まれた際にも、エクアドルを訪れた際と同じ不公平さを目の当たりにし、ますます疑問が深まりました。

疑問を解消し、不公平さを解決するために自分が取り組めるチャンスを探していたところ、理事の山田さんと知り合い、サルタックの理念や魅力的なメンバーの方々に惹かれ、インターンとして応募することを決めました。

活動内容:

私のインターンの最大の目的は、「子どもの意思に関わらず、生まれた環境によって将来の可能性が制限されてしまう不公平さはどこから来るのか、どうすれば解決できるのか、自分に何ができるのか」を考えるということでした。特に、私は IT 企業に勤務していたことから、テクノロジーを活用した教育について関心がありました。

そこで、まず行ったのがリテラチャーレビューです。リテラチャーレビューとは過去の学術論文を評価しながらまとめたものを指します。私はほぼ前提となる教育の知識がない状態でこのインターンに参加しました。そこでまず、現在の国際的な潮流や前提知識を学ぶべく、理事の畠山さんに紹介していただいた World Development Report をまとめることからはじめました。World Development Reportとは、世界銀行が毎年出している「国際協力分野で最も影響力のあるレポート(畠山さん)」であり、2017年当時のテーマがまさに教育でした。第7章を中心に、教育におけるICTの活用が分析されており、まずは第7章をまとめていくつかの考察を付与しました。次に、World Development Reportの参照文献に掲載されている文献の中から、関連性の高いもののレビューを進めていきました。毎週ミーティングの度に経験豊富な理事の方々にフィードバックをもらえるので、大変勉強になりました。調査した内容に基づき、サルタックのブログ記事を執筆し、情報発信も行いました。

また、2018年には 1 週間ほどネパールを訪れ、現地で簡単な定性調査を行いました。滞在中は、サルタックのアーバンラーニングセンターでお手伝いをしながら、アンケートを作成し、支援先の学校の先生方から回答を集めました。この調査では、ネパールの教育の抱える課題や、サルタックが果たすべき役割について現場の先生方から回答を集めることができました。また、サルタックが支援する現地の生徒の家庭訪問を複数行い、ICTを活用した教育についてアンケート調査を行いました。その結果、ネパールの決して裕福ではない家庭でも、スマートフォンの所有率は高く、教育に活用できる可能性があることがわかりました。

成果(現在の取り組みに生きていること):

教育についての知見がほとんどない状態から、アカデミックなリテラチャーレビューの手法を学び、知識を深めることができました。

情報発信のために執筆した一部の記事はハフポストというメディアにも転載することができ、少しでも多くの方の目に止まったのではないかと思います。

また、ネパールでは実際に現地の学校 / 家庭訪問を行うことで、知識だけに偏らない経験を得ることができました。

インターンとしての活動を通じて、モバイルを活用した絵本の読み聞かせを行うことで、高い教育効果を得られるのではないか、という仮説にたどり着くことができました。今後も継続的に仮説検証を行っていきたいです。

スペシャルエピソード:

リテラチャーレビューを行った際の週次ミーティングは、日本 – イギリス – アメリカ – ケニア間でスカイプミーティングを行なっていました。そのため、必ず誰かが深夜あるいは早朝の時間帯の犠牲になってしまうにも関わらず、大変丁寧なフィードバックをいただくことができ、理事のみなさまには非常に感謝しています。また、ネパールを訪問した際に、学校の先生から、日本について紹介する授業を行ってほしいという依頼を受け、急遽教壇に立った事も、良い思い出です。少しでも生徒たちが外国について興味を持ち、自分たちの国を客観的に見てみるきっかけになったなら嬉しいです。

今後の展望:

ICTと教育についてさらに学びを深めていきたいです。また、モバイルを活用した絵本の読み聞かせの教育効果を実証し、実際にサービスをローンチする事で、社会に貢献したいと考えています。

後輩インターンへのアドバイス:

自分の好奇心を大切にして、様々なことに是非チャレンジしてください!